失敗しない日本酒の選び方

今日の夜の献立からすると、食前酒にはやや抑えめの純米吟醸酒を、前菜で大吟醸の生酒を持ってくる。メインで超辛口の山廃仕込みに切り替えて、食後には10年ものの古酒で締めるか。あ、でもレポート明日までに提出だった。あまり飲み過ぎはダメだな。じゃあ古酒は諦めるか
日本酒を選ぶ際、何を基準にしていますか? 「聞いたことのある銘柄だから」「名前が気に入った」「デザインがカッコイイ」「とりあえず大吟醸でしょ」といった、直感や惰性で選んでいては、幅も広がらないし、なかなか自分に合った日本酒には辿り着けません。

日本酒選びで失敗しないためにはある程度の予備知識が必要です。とはいえ構える必要はありません。清酒の風味について、これまでお話ししたことを簡単にまとめます。とりあえずこれさえ押さえておけば、自分の好みから大きく外れることはないと思います。

日本酒選びは三つに分けて考えると分かりやすいです。
1、日本酒度と酸度
2、精米歩合と醸造アルコール
3、4つのタイプ

1、日本酒度と酸度
甘口・辛口を決める数値ですね。数字で示されているので、日本酒選びで最も分かりやすい指標です。基本的には日本酒度のマイナスの数値が大きければ甘口、プラスの数値が大きければ辛口です。そして日本酒度が同じ値であれば、酸度の高い方が辛口寄りになります。

まずは自分の中で、好みの日本酒度を決めておくと良いでしょう。
例えば私は今まで飲んできた清酒の日本酒度を調べた結果、「美味しいな」と感じるお酒は+3くらいのものがほとんどでした。日本酒度は通常-6~+6くらいですので、+3となると辛口寄りです。
自分では甘口の方が好きだと思っていただけに、これは意外でした。

このように、自分が好きだと思い込んでいる味と、実際の数値とでは異なることがあります。まずは基準となる日本酒度を決めて、その中で、酸度はどれくらいがちょうど良いかを探っていくと良いでしょう。数字による基準を一つ決めておくだけで、自分のストライクゾーンがかなり絞り込めます。


2、精米歩合と醸造アルコール
精米歩合は本醸造酒で70%以下、大吟醸酒で50%以下です。精米歩合が低いほど(米をたくさん削るほど)雑味が削ぎ落されるので、味わいは淡白になります。米本来の旨味を味わいたければ本醸造酒や純米酒を、すっきりとした飲み口と香りを楽しみたいのであれば吟醸系を選びましょう。

また、米だけで作られた清酒には「純米」という言葉が付きます。純米酒ではないものは醸造アルコールが添加されています。
醸造アルコールを添加する目的は、キレを良くすることと香りが際立たせることです。特に吟醸系において、醸造アルコールはその力を発揮します。純米大吟醸酒に比べて大吟醸酒は華やかさが増している、といった感じです。吟醸香をより楽しみたいのであれば、純米大吟醸酒よりも大吟醸酒が向いているということです。


3、4つのタイプ
日本酒の風味は、薫酒・爽酒・醇酒・熟酒の4タイプに分けられます。

薫酒:吟醸系(香りを楽しむ)
爽酒:生酒系、本醸造酒系(軽快さやフレッシュさを楽しむ)
醇酒:生酛・山廃系、純米酒系(米の旨味とコクを楽しむ)
熟酒:古酒・長期熟成酒系(熟成された深みと芳醇さを楽しむ)

ごく簡単に言えば、このように分かれます。醇酒や熟酒には個性の強い日本酒が多いので、飲み慣れないうちは、薫酒・爽酒タイプを選ぶと良いと思います。

基本的にこれらはラベルに書かれていることばかりです。日本酒を手に取ったとき、少し注意深く読み解けば、日本酒選びが楽しくなってきますよ。